労働力の価値と働いて付ける価値の大きさは違う
資本主義社会は等価の商品交換が原則ですから、資本家は労働力といった商品をその「価値通り」に買わなければなりません。しかし先に述べたように、商品の価値と使用価値の効用度とはまったく別の事柄で、この効用にこそ資本家の目的があり、それが労働の強度と時間の長さを際限のない欲求へと駆り立てます。
労働者は奴隷ではありませんから、人格を含めた自分自身をまるごと商品として資本家に売りません。労働力の商品所有者として労働力だけを一定の限られた時間、資本家に売り渡します。
資本家は例えば1日8時間労働力を消費させるという使用権を得ます。労働者は生産手段を使って8時間労働力を消化(労働)し、8時間の労働の結果としての商品を造ります。造った商品が実在していることは、同時に新しい8時間の労働量の価値を付け加えた一般的労働の結晶でもあります。
しかし、資本家にとっての使用価値は売るための手段であって、必要なのは8時間という新しく付加された労働量の価値です。その8時間という価値を表わした貨幣価格が2万円で、生産手段の価値の貨幣価格が3万円だとすれば5万円となります。そして労働者には価値通り、労働力の価値・価格である賃金を支払います。(生産手段・原料などの価値は商品法則に則り価値通り商品に移転します)
しかし、労働力の価値と労働者が工場で8時間働いて新たに付け加えた価値の大きさが同じならば、資本家にとっての剰余価値(利潤)はありません。
福岡県 北九州市 若松区 ビジネスホテル うめかぜ組合
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